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第1章 経済開発の進展
第1節 経済の発展段階

  

1 人口規模

要旨
 国家として独立していることによって、その人口規模に拘らず、存在が強くアピールされる。
 しかし、国際社会の動向を総合的に理解し、地球的な課題を考える際には、人口規模(及び経済的規模)について確かな認識を持ち、バランス感覚のある判断が求められる。
 例えば、中国の人口が日本の10倍であることは、常に念頭におくこと必要があろう。
 世界人口の地域別構成は、アジア地域60%(36億人)、ヨーロッパ全体・アフリカ全体・北中南アメリカ全体それぞれ13,4%(各8億人台)、オセアニア(0.5%)となっている。

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(1) 世界の人口

 世界各国の人口については、多くの国際機関が取りまとめており、インターネットのデータベースとして提供されているので、これを利用すればよい。

 21世紀に入った、現在、世界の総人口は60億人を超えている。
 国別には、中国、インドが10億人を超え、アメリカ、インドネシアが2億人台、さらにブラジル、ロシア、パキスタン、バングラデシュ、日本、ナイジェリアが1億人台で続く。この10カ国で世界人口の60%を占めている。
 また、東アジアから中近東までを含めたアジア地域のみでも中国・インド等の人口大国が含まれ世界全体の約60%(37億人)を占めている。
 さらに、旧ソ連の諸国を含むヨーロッパ全体、アフリカ全体、北中南アメリカ全体がそれぞれ世界人口の13%台(各8億人)で、これにオセアニア(1.4%)を加えれば全世界となる。
 中国、日本、韓国、北朝鮮等を含む東アジア地域のみでも、世界全体の約1/4(23.9%、15億人)で、大きな位置を占めている。また、東南アジア地域にもインドネシアを始めとした人口大国が多く全体では8.6%(5.4億人)となり、西ヨーロッパ地域(6.2%、3.8億人)を大きく上回っている。
 (→地域別人口一覧)


 このような、世界の地域別、国別人口の配分については、人口規模に比例した面積で各国を描いた地図(下図)によって、理解を深めることができる。
 なお、予め述べておくと、この地図と各国の経済規模に比例した所得地図を並べて眺めることによって得られるメッセージは極めて重要である。


 

(Apr.19,2005.Rev.)




(2) 東アジアの人口

人口の比較
国・地域人口
(百万人)
China1,288.4
Hong_Kong,6.8
Macao,0.4
Japan127.2
Korea,Rep.47.9
Korea,DPR.22.6
Mongolia2.5
2003年
世界銀行
資料


2国間比較比(倍)
China/Japan10.1
Japan/Korea,Rep.2.7
Korea,Rep./Korea,DPR2.1
 東アジアとして、どのような範囲を捉えるかについては、それぞれの目的によって様々となろう。
 本分析では、統計情報等の入手の可能性及び人口規模から見た重要性から、専ら、中国、韓国、日本を対象として分析を行っている。
 ちなみに、その他地域・国の人口規模は右表のとおりである。
 北朝鮮については、大きな人口規模を持つが、統計情報等が入手できず、また経済的課題以上に政治的課題が大きく、本分析では一般には論じない。
 台湾については、人口規模は北朝鮮に匹敵し、経済的にも周辺諸国との交流が大きいが、政治的課題が大きく、本分析では一般には論じない。
 ロシアのうち極東地域については、人口規模が8百万人にとどまり、また実質的な経済交流も不活発であり、さらに情報入手にも困難な面があるため、本分析では一般には論じない。

(Apr.20,2005.Rev.)



格差の大きい人口規模
−−北朝鮮:韓国:日本:中国≒1:2:6:60−−

 現在の中国の人口は概ね125千万人、日本はこのほぼ1/10の127百万人、韓国はさらに日本の1/3強の45百万人、北朝鮮はさらに韓国の1/2の22百万人である。それぞれ簡潔な比率となっており、整理すれば「北朝鮮:韓国:日本:中国≒1:2:6:60」とも表現できよう。
 中国と日本では、人口に10倍程度の格差があり、一人当たり指標について、中国が日本の1/10であっても、総数ではほぼ同等である。また、日本には人口が百万人に満たない県があるのに対して、中国には5千万人を超える省も多い。

 なお、各国の人口統計には、センサス人口や登録人口など性格の異なる幾つかの種類がある。


中国の人口分布
 中国の統計区分となる行政区域については、4市22省5自治区の31区分に分かれている。なお最近、重慶市が四川省より分離しており、統計によっては区分されていないものがあり留意が必要。
 これらの地域によって大きな人口格差がある。ただし、西域の自治区等で特に少なく、市については概ね1千万人強で小さいのに対して、省については比較的規模が揃っている。

 なお、中国の2000年の人口センサス結果は、126,583万人であった。1990年の11.7%増加となっているが地域により格差が見られる。


 各行政区の人口密度については、上海市が2,300人/km2で特に高いが、その他はいずれも1,000人/km2以下で低い。
 こうした中で、上海、天津、北京の3市に次ぎ、山東省等の東中部、次いで広東省等の南東部、さらに四川省等の中央部と吉林省等の東北部、そして西蔵自治区等の西部と順に密度が低下している。この地域区分の名称については、一般の用法をさらに探す予定。
 なお、この人口密度は、単に総人口を総面積で除したものであり、それぞれの区域内で人の全く住まない山岳・荒野地帯と人の生活する耕作地・都市地帯とが混ざっており、人々の生活空間のイメージと必ずしも直結しないことに留意しておく必要がある。


韓国の人口分布
 韓国の統計区分となる行政区域については、1特別市、6広域市9道の16区分に分かれている。この内、特別市・広域市については、地理的には道の中に含まれており、人口集中の大きい都市地域を区分したものである。日本の政令指定都市を区分することに相当していると言えよう。
 このため、統計は、予め都市地域と農村地域を区分したものとなっており、地域比較等には留意が必要である。
 16区分の人口については、ソウル市が全体の21%を占め極めて大きく、さらに仁川市そしてその他の京畿道を合わせ、広義の京畿道全体では全人口の48%と半数近いものとなっている。
 これに次いで、釜山・慰山市を含む広義の慶尚南道が16%、大邱市を含む広義の慶尚北道が11%であり、広義の慶尚南北道で27%となる。なお最近、慰山市が慶尚南道より分離しており、統計によっては区分されていないものがあり留意が必要。
 このように韓国では、行政区域に対して人口が著しく偏っていることを理解しておく必要がある。これは、急激に成長した発展途上国の人口の都市集中と類似したパターンと考えられるが、詳しくは別途分析する必要がある。

 韓国の人口密度については、当然ではあるが、広域都市で高く、その他の道で低い。
 特に、ソウル市については、170百人/km2(170人/ha)であり、整備された都市のイメージとしては、中高層集合住宅が区域内全体に広がっていることを意味している。
 他方、朝鮮半島では、東側に山岳地帯が偏り、江原道、慶尚北道、慶尚南道の中央部を貫いている。このため、江原道の人口密度は、92人/km2と極めて低い。
 韓国では、都市を除けば、専ら農耕を糧とする生活が主体で、山地の資源を糧とする生活様式はほとんどなく、また、漁業を糧とする生活も近年発生したものだいという。このため、山間部の人口密度は極端に低いものとなっている。
(統計データ)

(Feb.06,2006.Rev.)



日本の人口分布
 日本の統計区分となる行政区域については、1都1道2府43県の47区分に分かれている。
 このうち東京を中心とした1都3県で人口の27%、大阪を中心とした2府2県で14%を占めるなど大都市地域への集中傾向が見られる。このうち東京圏1都3県の総人口は29百万人で広義の京畿道の20百万人の約1.5倍である。
 しかし、過半の30県は1百万、2百万人台であり、この範囲では比較的揃った規模となっている。ちなみに、この規模は、中国の多くの省の数十分の1である。


 日本の人口密度については、東京、大阪に名古屋(愛知)、福岡を加えた4大都市地域で人口密度が比較的高い他は、韓国の道と同じ水準にある。なお、大都市地域が日本で太平洋岸、韓国で黄海岸に偏っていることは、日本海の環境負荷を少なくしている。
 ただし、東京都については55百人/km2(55人/ha)であり、ソウルの約1/3に留まっている。これは東京都の行政区域が奥多摩の山岳部までに広がっていることもあるが、居住地区の人口密度も一段階低いのではなかろうか。
 なお、沖縄県、香川県が5百人/km2を超えているが、これは、区域内に山岳部をあまり含まないためと言えよう。


(3) 人口の経過と将来

 各国人口のこれまでの推移については、着実な増加を続けていたが、それぞれ増加速度を落としつつある。
 具体的には、各国で出生率が低下し若い世代の人口が減少が著しい。この結果、各国で高齢化が進みつつある


 将来の人口については、国連において、いくつかの前提を置き、推計がなされている。
 この中位推計を見ると、世界人口は、既に60億人を突破しており、2050年には、現在の1.5倍の約90億人となると見られている。
 中国は、現在、13億人弱の人口であるが、2035年頃には14億5千万人に到達し、その後減少局面に向かうとされている。
 日本は、現在、中国の1/10の127百万人であるが、まもなく減少し始め、2050年には、1億人近くまでに縮小すると見られている。
 韓国は、現在、47百万人であり、2020年までには5千万人を超え、さらに2120年代半ばに減少局面に達するするとされる。

(統計データ)

(Jul.15,2003.Rev.)



 なお、東アジアの中での経済交流の拡大にともない、人口の交流も拡大しており、今後、留意していく必要があろう。

情報源
世界銀行
中国統計局「中国統計情報ネットワーク」
韓国統計庁「統計DB」(KOSIS)
日本総務庁統計局
中国・韓国の統計データベースは、充実しており、一通りのマクロ統計を入手することができます。
日本の統計データベースも、充実していますが、統計毎に様式が異なります。
さらに所管統計が中心で、いろいろと探し回る必要があります。

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(図Apr.07,2006.Rev./Jul.19,2002.Orig.)