さらなる成長の基盤を固めた中国の工業生産
―2000-2005年の工業生産の変化―
以下のコメントは、関連する情報を吟味しないまま、既存統計を整理した取り敢えずの仮説である。
生産主体
生産の増加に最も寄与しているのは、外資系企業である。
しかし、その他の私営企業の生産が急速に拡大しており、自立した生産体制を築きつつある。
また、国有企業等については、不良債権処理等の課題が未解決だとしても、それなりに生産を拡大しており、中国の工業生産の一角を担っている。
生産物
当初、繊維等の労働集約的生産から始まったが、1990年代には洗濯機、冷蔵庫、テレビといったいわゆる白物の生産が立ち上がっており、'90年代末には、エアコンの生産も拡大している。
さらに、2000年代以降には、IC、パソコンといった電子製品及び自動車の生産も急拡大し始めている。
かつて中国は、先進国との垂直分業を担う国として捉えられたが、最早、垂直分業も合せて担いつつある国と捉える必要があろう。
最終年(2005年)=100とした表現はあまりないと思うが、このグラフで、例えば25%ラインに達した年代を検討すれば、上述の内容は理解できよう。ただし、未だ立ち上がっていると判定できない製品でも、僅かな動きで立ち上がったと判断する危惧はある。
生産地域
広東など汎珠江デルタ圏ばかりでなく、むしろ上海を囲む江蘇、浙江といった汎長江デルタ圏が急成長している。また、山東を始めとする汎渤海湾圏の成長も著しい。
このように、沿岸地域が主体ではあるが、成長地域が確実に広がっている。
ただし、東北内陸部の黒竜江、吉林の成長は若干低い。内陸部であると同時に国有企業等の改革の課題を持っているためであろう。
中国の近年の工業生産は、2001年WTO加盟をさらなる契機として貿易に依存しつつ拡大してきた。
今後は、内需を捉えて、自立的拡大に転換していこう。
所得格差、環境汚染、水・エネルギ・食糧等の資源不足など課題はいろいろとあるが、以上のような工業生産の推移は、一層の成長の基盤を固めてきていると捉えることができよう。
(統計データ)
関連項目に戻る
(Nov.21,2006.)