韓国で伸びる中小規模事業所従業者
−−事業所規模別従業者数の動向の韓日比較−−
先進国での今後の産業活動の核となるべき知的創造を担う事業の展開には、自らのメリットを明確にしながら、その時々の新たな課題に応じて、その遂行に必要な能力をもつ組織と機動的に連携していくことが求められている。このため、今後の企業のあり方として、モジュール化した小規模な組織が提唱されている。
韓日比較
1999年時点で韓日両国の事業所規模別従業者数業者の構成を比較すると、韓国は、日本に比較して、大規模事業所の比率が高く、小規模事業所の比率が低い。
これは、かつて韓国では、財閥企業の成長の中で、中小企業が育ってこなかったためと説明される。
1-4人規模事業所については、入手先の韓国のデータベースになく除いている。仮に、統計があっても、この層には生業的な事業所も含まれ、実態の評価は難しい。
韓国の変化
従業者数をその所属する事業所の規模で分けてみると、韓国では、中小規模事業所での拡大が著しい。
IMF危機からの回復過程において、300人以上の大規模事業所の従業者数は大きく減少している。
これに対して、300人未満の事業所の従業者数は大幅に増加している。
これらの中には、支店・出張所などの大企業の新たな事業展開の中で増加している部分もあろう。
しかし、自ら起業し、新たな事業展開を図っている者も含まれていると予想される。
具体的には、財閥組織を核とした経済構造の改革の中で、多様な事業が生まれているのであろう。こうした状況は、今後の産業の展開にとって望ましい方向と捉えられよう。
日本の変化
1996年から1999年の日本は、バブル崩壊後の沈滞から抜け出せず、各企業で雇用の削減を伴う組織改革を本格的に始めている時期である。
この間の従業者数の変化をその所属する事業所の規模で分けてみると、いずれの規模でも従業者数が減少している。
統計的には、新設あるいは従業者数の増加する事業所と廃止あるいは従業者数の減少する事業所、さらには事業所規模の区分が移動する事業所が混ざり合った結果であり、実際の動向を単純に判断することはできない。
特に、1-4人規模事業所従業者数の減少については、特段の強い経営意識を持たない家族経営的な小売業の廃業等も多いと考えられる。
しかし、全体として、新たな産業の形成を担う、起業者の活動が乏しいことも事実であろう。
ミクロ的には、新しい活発な事業活動も散見するが、マクロ的に現れてこない限り、日本経済の再活性化は困難でなかろうか。
論理的に議論を展開しようとすると留保条件を多々並べる必要があり、主張があいまいになってしまう。ここでの論述には誤りの危惧もあるが、ある程度の真実も含まれていよう。
事業所規模別従業者数の変化について、現在、韓国は日本の構成比の方向に大きく動こうとしているのであり、日本の方が進取の気象に欠けるというのは必ずしも正しくないという見方もある。
しかし、現時点で起業の動きがあり、時代に即応した事業活動が盛り上がっていくことこそ重要であろう。
(統計データ)
関連項目に戻る
(May.29,2002.)