日本の中国からの輸入の変化
−−広範囲の商品で爆発的増加−−
2000年の日本の輸入総額は、380十億US$(40.9兆円)であった。1990年の日本の輸入総額は、235十億US$であったが'90年代前半には43.1%の大幅の増加を示し、さらに後半には'97、'98年と一旦減少を示したが、5ヵ年通算では13.0%の増加となっている。
これに対して、中国からの輸入のシェアについては、'90年時点で5.1%であり韓国の5.0%とほぼ同水準であったものが、'90年代前半には198.0%、後半には53.4%増加し、2000年には14.5%を占めるまでに著しく拡大している。
この結果、中国からの輸入総額は、国別ではアメリカに次ぐ大きさとなり、中東はもとより、西ヨーロッパ合計の輸入額も超えている。
まず、主要貿易相手国から輸入総額の変化を'90年代の前半後半に分けて見る。図は、横軸に開始期の構成比、縦軸に期間中増減率がとってあり、各国の色付けした面積は、増減寄与度に相当する。なお前半、後半の横軸の幅は輸入総額に概ね比例している。
'90年代前半には、中国及びASEANの伸びが際立った。この結果、アジアのシェアは28.8%から36.6%へと拡大している。なお、減少を示した国は、中東の2カ国とフランスのみであった。
'90年代後半には、日本の景気停滞はもとより、アジアの金融危機もあり、国によって違いが大きかった。こうした中で、中国からの輸入は確実に増加している。また、中東各国はそれぞれ伸びを示したが、欧米諸国はほとんど減少した。
この結果、2000年のアジアのシェアは、41.7%にまで拡大している。
以上のように、'90年代を通じて、中国からの輸入が著しく伸び、日本の輸入相手国の中に大きく割り込んできたと形容することができよう。
以下輸入品目別に中国の拡大の様相を見る。ここでは、貿易統計の分類(HSコードの2桁)をそのまま利用するので、通商白書等での商品分類とは異なる。
衣類及び付属品(ニットを除く)(HSコード62,63)については、中国は、'90年に既に34%のシェアであったが、前半に187%増加し、'95年には63%のシェアとなり、さらに後半に45%の増加となり、2000年には76%のシェアまでに拡大している。この結果、輸入金額では、995十億円に達している。
このような輸入の拡大は、中国自身の開発努力に重ね、日本の商社、小売業者、製造業者等の手によるものも多いと見られる。
なおヴェトナムからの輸入が拡大し始めており、2000年には4%のシェアとなっていることも注目される。
ニット(HSコード61)の輸入についても、同様の推移が見られ、'90年には既に27%のシェアであったが、前半には218%と3倍増を示し、'95年には52%のシェアとなり、さらに後半には81%の増加し、2000年には75%までに拡大している。これは金額では665十億円であった。
中国以外の動向について、'90年代後半では、ヴェトナム、マレーシアの若干の増加以外は、ほぼ減少しており、中国の増加が他を抑制したといえよう。
以上のように、衣類同付属品の輸入については、中国からの輸入が、'90年代に爆発的に増加し、2000年には輸入全体の3/4のシェアを占めるまでに至っている。
電気機器(HSコード85)については、日本の輸入合計額が'90年代前半、後半にそれぞれ95%、78%と著しい伸びを示している。
中国は、'90年時点で3.5%とわずかなシェアであったが、'90年代前半に487%の急拡大を示し、'95年で既に11%のシェアとなり、さらに後半に181%の増加で、2000年には17%のシェアまでに拡大している。金額では897十億円であり、衣類同付属品(ニットを除く)に迫るものとなっている。
このような輸入の拡大は、日本の製造事業者の進出による開発輸入の効果が大きいのであろう。
一方、一般機械機器(HSコード84)についても著しい伸びを示している。
中国の'90年時点でのシェアは0.5%とわずかであったが、'90年代前半793%の急拡大により、'95年には3.5%のシェアとなり、さらに後半357%の増加により、2000年には9.3%のシェアまでに達している。また、金額では、424十億円であった。
なお、一般機械機器の中には、コンピュータが事務用機器として分類されており、2000年では271十億円で、日本の輸入合計額の4.6%となっている。また、中国からの一般機械機器輸入の中では67%を占めている。この意味で、一般機械機器の中国からの輸入の拡大は電気機械と類似した性格をもっている。
ただし、コンピュータを除いた一般機械機器でもほぼコンピュータと同水準の著しい伸びを示している。
以上のように、中国からの輸入については、軽工業製品だけでなく、機械機器の増加も著しい。
次に、2000年の日本の中国からの輸入商品の構成を見る。 9桁コードによる商品別再集計を行っており、上述のHSコード2桁分類とは異なることに留意が必要である。
まず、繊維が輸入全体の30%を占めており、内訳としては、外衣がその約1/2で最も多く、次いで下着が多くなっている。
機械機器は全体の26%であるが、内訳としては、電気機器が15%で最大であり、コンピュータも含めれば20%となっている。
また、雑製品も13%と多い。
中国からの輸入の拡大は、日本の産業構造の変革の課題に直結しており、いろいろと議論すべきところである。しかし、これは、当「東アジア共生のシナリオ」の中心課題であり、全体の中で述べていく。
(統計データ)
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(Nov.07.2001.)