日本と中国・韓国との貿易
−−中国の発展と連動する貿易−−

中国との貿易
 中国からの輸入
 中国への輸出
韓国との貿易
 韓国からの輸入
 韓国への輸出

 1990年代前半には、日本と中国(香港を含む)の貿易の急激な拡大があった。特に、衣類等を始めとする輸入の拡大については、日本の産業構造にも大きな影響を及ぼし、輸入デフレとして課題を投げかけてきた。'90年代の後半には、いわゆるアジアの通貨危機もあり、伸びは若干低下したが、2000年代に至り再び急速な拡大を示している。特に、現在は、輸出の拡大が輸入の拡大を凌駕しており、日本経済の回復を支える役割を担いつつある。
 一方、韓国との貿易については、日本の韓国からの輸入は中国からの輸入が代替することによって、総じて横ばいで推移している。これに対し日本の韓国への輸出については、総じて増加基調にあり、特に、2000年代に入って急増を示している。


日本の貿易額の変化

貿易額(十億円)伸び率(年率)
1990年1995年2000年2005年'90-'95年'95-'00年'00-'05年
対中国
(香港を含む)
輸入2,044 3,638 6,121 12,140 12.2 11.0 14.7
輸出2,771 4,662 6,204 12,808 11.0 5.9 15.6
対韓国輸入1,690 1,622 2,205 2,696-0.8 6.3 4.1
輸出2,518 2,928 3,309 5,143 3.1 2.5 9.2


 なお、日本の貿易全体についての外観は別項で行っている。

 

増加し続ける日中貿易
―財務省2005年貿易統計―

 日本・中国間の貿易は、2000年代に入って、再び急増を続けている。特に、輸出の拡大が著しい。また、輸入では、殆どの品目で著しい拡大が見られるようになっている。

 日本・中国間の貿易に関する財務省の貿易統計では、中国と香港が区別されている。しかし、香港・中国間の貿易も大きく、日本・中国間の貿易の検討に際しては、統計上の中国と香港の合計値で検討する必要があろう。

 日本・中国(香港を含む)間の貿易総額の推移に関しては、輸出入ともに2000年以降再び急拡大している。
 特に、日本から中国への輸出については、再び輸入額を大きく上回り推移している。この増加は、中国への直接の輸出の増加が大きく、香港への輸出の増加は緩やかなものとなっている。


日本の中国からの輸入

 日本の中国(香港を含む)からの輸入品目の増加については、かつては、衣類等が太宗を占めていた。また編物等がこれと並行して増加していた。しかし、1990年代半ば以降、電気機械の伸びが著しく、さらに2000年以降は一般機械の増加が際立つようになっている。
 財務省「日本貿易統計」は通関統計であり、HSコード(関税定率法別表)で品目が分類され、この上6桁は世界共通コードである。また、上2桁で大分類となっており、統計の集計が可能であり、統計上では類と呼び2桁の数字で表現している。以下の分析は、この類に勝手に名称を付けて整理しているものであるが、歴史的経緯から通常の分類概念と差異があり留意が必要である。例えば、電子計算機関連品目が事務機器の範疇として一般機械(84類)の中に計上されている。


 また2000年代に入って、その他の品目についても、絶対額自体はまだ小さいが、殆どの品目で急速な増加を見せるようになってきている。
 この背景としては、日本から中国へ進出した多様な業種の企業の開発輸入が軌道に乗り、事業の拡大が図られていることが考えられよう。


 以下、1990年代以降について、1990年代の前半、後半及び2000年代の各5年間に分けて貿易品目別貿易額の変化を見る。
 なお、貿易変化の寄与度に関する以下6枚の図の横幅は、概ねそれぞれの始点の貿易総額に比例している。また、縦幅の増減率も概ね同尺としている。

 '90年代前半の中国からの輸入については、まず、ウエイトは小さいが、機械類が大きく伸び始めたことが目立つ。これは、外国企業の投資等により国内での各種機械機器の生産が拡大し始めたことをうかがわせる。これに並んで家具等の輸入も急拡大している。
 また、衣類及び編物は既に一定の大きさを持っているが、5年間で3倍程度(200%増)に拡大している。身の回り品、皮革製品、プラスチック製品等も同様の伸びを見せている。
 さらに肉魚・野菜等の加工品を含む調製食料の輸入の拡大も大きい。また鉄鋼・同製品等の輸入の拡大もこれに並んでいる。

 一方、石炭を中心とする鉱物性製品のウエイトは大きいが、5年間で約半減している。
 また、繊維・織物やフェルト等が減少しているが、これは国内生産の原材料として一層利用されるようになったためであろう。


 '90年代後半の推移については、前半ほどの伸びではないが、殆ど全ての品目で一定の伸びが見られる。
 特に、機械機器、電気製品は、既に一定のウエイトを占め、引き続き大きな伸びを示している。
 衣類等、編物等については、既に大規模なものとなっているがさらに拡大を続けている。これは、ユニクロのような日本企業による開発輸入も多く含まれよう。
 ちなみにセーフガードで話題になっている、野菜などの分野でも日本の商社等と協調した開発輸入が含まれている。

 以上のように、中国の経済開発により、日本の消費活動、生産活動は、あらゆる分野において、中国からの輸入品に一層大きく依存するようになってきている。同時に、競合する商品を生産する国内の既存事業者の存続が、一層厳しくなってきていることも周知のとおりである。


 2000年代には、既に各品目の輸入規模が大きくなっているが、伸び率は衰えておらずさらに急速に拡大している。
 特に、一般機械が著しい伸びとなるなど、中国の輸出品目が加工組立型産業へと移行してきていることがうかがえる。


機械類の中国からの輸入の推移詳細
―計算機輸入の急増―

 以下では、2005年の中国から輸入の4桁分類で500億円を超える品目を計上した。

 2000年代に入って計算機(パソコン等)の輸入が著しく増加している。
 (計算機については、貿易統計では、事務機器として84類に入っている。)

 多様な電気機器の輸入が急速に拡大し続けている。

(統計データ)


日本から中国への輸出

 日本から中国(香港を含む)への輸出については、電気機械、一般機械を主体にいわゆる資本財が中心となっており、特に2000年以降は、急拡大を示している。



 電気機械、一般機械に比して絶対額は小さいが、その他の資機材も2000年代に入って著しい拡大を見せるようになっている。


 '90年時点での輸出では、電気機械が特に大きなウエイトを占め、さらに一般機械、、鉄等金属製品がこれに次いでいた。
 '90年代前半では、これらの既にウエイトの高い品目を始めとする多くの品目で50%を超える伸びが見られた。特に一般機械については、2倍以上に拡大している。
 こうした品目は、生産設備機器及び生産原材料が主体であり、中国の経済開発の動向と連動している。


 '95年時点では、既に、電気機械と一般機械で全体の50%近くとなっていた。
 '90年代後半には、電気機械については、確実に拡大を続けた。これは、半導体等を含め国内生産の拡大に不可欠になっているためである。また、化学工業製品、プラスチック製品等も生産原材料として輸出が拡大している。
 繊維・織物等については、人造繊維・同織物と並んで羊毛・綿等の織物の輸出も拡大しており、日本の衣類等の輸入の拡大と呼応しているものであろう。
 ただし、これらの増加率は、'90年代前半ほどの急拡大ではない。また、この期間に一般機械及び輸送機械の輸出は減少を示している。
 こうした伸び率の低下は、アジアの通貨危機の影響による経済発展の一時的停滞によると見られる。



 2000年代における輸出は再び多くの品目で、倍増を超える大きな拡大を見せている。
 これらは、アジア通貨危機からの回復に続く順調な生産拡大に呼応している。
 なお、こうした中国への輸出の拡大は、2003年後半の日本の景気回復の一因となっている。



機械類の中国への輸出の推移詳細
―部品輸出の急増―

 以下では、2005年の中国及び香港への輸出の4桁分類で500億円を超える品目を計上した。

 計算機部品の輸出が急速に拡大している。


 集積回路、半導体等の輸出の伸びが著しい。


 2000年代に入って自動車部品の輸出が急拡大している。


 情報機器関連の各種デバイスの輸出が急速に拡大している。

(統計データ)

 (参考;中国の輸出品目の動向
 (参考;中国の輸入品目の動向
 (参考;日本の輸入相手国の中での位置付け

 

韓国へは輸出が一方的に拡大
―2000年代の日韓貿易の推移―


日本の韓国からの輸入

 韓国経済の為替危機からの回復がはかどらず、日本の長期的な景気の緩慢な動きとも重なり、さらには日本の中国からの輸入への代替もあり、日本の韓国からの輸入については、総じて停滞気味に推移している。

 (参考;韓国の輸出品目の動向


 輸入の推移については、品目毎に異なった変動を見せており、特定時点間の比較には誤解が伴う。右図は、為替危機以降の変動として2000-2005年の変化寄与度を表した。
 まず、既にかなりウエイトが低下しているが、動物生産品(水産加工品等)、衣類等、編み物等が引き続き減少している。
 これに対して、増加が著しいのは、電気機械などである。


日本から韓国への輸出

 韓国への輸出については、電気機械、一般機械、化学工業製品、精密機械、鉄等金属製品などが大きなウエィトを占めているが、景気変動と連動し変化し、趨勢的な動きは明確でない。
 しかし、2000年代に入り、いずれの主要品目も大きな伸びを見せ始めている。

参考;韓国の輸入品目の動向


 韓国への輸出額の変化についても、年々の変動が大きく、特定の2時点を比較して、趨勢を述べることは適切でないだろう。
 しかし、韓国の経済成長に必要な生産設備機器、生産原材料の輸出が着実に伸びていることが見られる。

(統計データ)
(貿易額集計品目コード)


参考文献等;
財務省「貿易統計」1989年以降毎月の国・品目(9桁分類)別貿易数量・額を掲載
ダウンロード、集計の手間を厭わなければ詳細な情報が活用できる。
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(Mar.13,2006.Rev/Oct.31,2001.Orig.)