日本の対東アジア貿易の拡大
―水平分業の時代へ―

貿易額
 日本の貿易の輸入相手国について最近5年間の変化を見ると、中国及び中東諸国を始めとして、専らアジア諸国、特に東アジア各国からの輸入の増大が著しい。ただし、東アジアとの貿易の増大については、金融危機からの回復過程が含まれていることに留意しておく必要がある。
 この結果、2003年には、日本の輸入の58%は、アジア各国からとなっている。
 ヨーロッパからの輸入も伸びてはいるが、アジアからの輸入に比して伸び率は小さい。
 さらに、貿易の最大相手国であるアメリカ、そしてカナダからの輸入は5年前に比して減少している。ただし、アメリカなどとの関係については、貿易外の収支も別途見ておく必要があろう。
 なお、ウエィトは小さいが、その他の北アメリカやアフリカからの輸入は大きく伸びている。


 一方、日本の最近5年間の輸出の変化についても、中国、韓国を始めとした東アジア各国への増大が大きい。アメリカやEUなどその他の多くの国への輸出については、減少している。
 この結果、2003年には、日本の輸出の49%は、アジア各国向けとなっている。


貿易の特化係数
 日本の東アジアからの輸入については、その内容が次第に変化しており、かつてのような垂直分業的な様相は大きく変わっている。
 例えば、パソコン等を含む事務機器の輸入については、東アジア各国からの輸入が拡大し、2000年までについては、台湾が特に伸びていたが、それ以降は中国からの輸入が飛躍的に拡大し、位置が入れ替わっている。


事務機器の内容
HSコード説明
8469タイプライタ(第84.71項のプリンターを除く。)、ワードプロセッサ、自動タイプライター、ワードプロセッサ
8470 計算機、データを記録し、再生し、表示するポケットサイズの機械(計算機能を有するに限る。)、会計機、郵便料金計機、切符発行機その他・・・
8471 自動データ処理機械、これを構成するユニット、磁気式、光学式の読取機、データをデータ媒体に符号化して転記する機械、・・・
8472 その他の事務用機器(例えば、謄写機、あて名印刷機、自動紙幣、支払機、硬貨分類機、硬貨計数機、硬貨包装機、鉛筆削り機、穴あけ機・・
8473 第84.69項から第84.72項までの械機に専ら、主として使用する部分品、附属品(カバー、携帯用ケースその他に類する物品を除く。)



 日本と東アジア各国との事務機器の貿易について、特化係数(輸出入差額の輸出入総額に対する比)の推移を見ると、既に多くの国との間で、日本の輸入超過となっている。東アジアの中には、図中に掲載の国、地域の他に、北朝鮮、モンゴル、ベトナム、ブルネイ、カンボジア、ラオス、ミャンマーを含めている。
 なお、中国については、香港経由の輸出が大きいため、香港との合計で検討するほうが適切であろう。


 一方、各国で事務機器等の生産を実現する中で、それに必要な資機材の輸入が著しく拡大している。
 例えば、日本の半導体等の東アジア各国への輸出は、近年著しい増加を見せている。


半導体等の内容
HSコード説明
8541 ダイオード、トランジスター、その他これらに類する半導体デバイス、光電性半導体デバイス(光電池(モジュール、パネルを問わない)を含む
8542 集積回路、超小形組立、モノリシックディジタル集積回路



 半導体等の日本の貿易に関する各国の特化係数については、概ね日本の輸出超過であるが、輸入の比率も順次高まっており、韓国・台湾については、既に、年によっては輸入超過となっている。


 以上のように、日本の貿易は、世界の経済発展の拠点でもある東アジア諸国との関係を著しく強めてきている。
 そして、かつてのような垂直的分業に留まらず、次第に水平分業の方向に移りつつある。
 また、東アジア各国についても、次第にそれぞれの役割を変化させつつあり、かつての雁行型分業という様相は次第に変化しつつある。

(統計データ)

情報源
貿易統計財務省
HSコードnoble global connect


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(Apr.07,2004.)