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ジニ係数


 所得分布などのように、統計の各個体(標本)の大きさに関する分布状況について、その平準度を見るための指標。
 値が小さいほど平準度は高い。

 代数的には、「任意の2つの標本の格差が全標本の平均値に対してとる比率の期待値」として定義される。

 しかし、一般的には、同等の意味を持ち幾何的表現に転換された「ローレンツ曲線と対角線に囲まれた面積」という定義で理解されている。
 所得分布で説明すると、横軸に人数、縦軸に所得を取り、所得の低い人から順に並べた場合の所得累積額の描く曲線(ローレンツ曲線)と両端点を結ぶ直線(対角線=均等分布線)で囲まれる面積となる。ただし、軸と対角線で構成される三角形の面積を1とする。

 ジニ係数の値について、どれくらいで格差が大きく、どれくらいなら許容範囲かなどの評価は直感的にはわかり難い。
 しかし、ジニ係数がgで、社会全体が富裕層と貧困層に分かれ r:1−r の比だとした場合、富裕層の所有割合が、r+gとなることを目安に考えると、ある程度の感覚的把握が可能になる。
 例えば、ジニ係数が 0.3で、富裕層が2割なら、富裕層は全体の5割を所有していることとなる。
 右図参照

AP:QP=1−g:g
Xp=1−r
Xq=1−r/(1−g)=(1−g−r)/(1−g)
Yq=Xq=(1−g−r)/(1−g)
Yp=1−g−r


ジニ
係数
上層
階級
のシ
ェア
階層
間所
得比

0.2402.3
0.3353.4
0.4305.4
0.5259
0.62016
0.71532
0.81081
0.95361
 ジニ係数の大きさの意味合いは直感的に捉え難いが、この分析では、社会の階層が2分されていると仮定して、総人口のA%の集団が、GNPの(100−A)%を得ているとすれば、分かり易い。
 例えば、ジニ係数が0.7の場合は、上位15%の集団が85%の所得を得ていることに相当し、2つの集団の所得格差は、約32倍となる((85/15)/(15/85)=32.1)。
 上述の各国内の所得を均一とした場合の世界の所得のジニ係数(0.7068)では、14.7%の集団が85.3%のGNPを得、階層間で33.9倍の所得格差があることとなる。


 このジニ係数は、面積で決まり、ローレンツ曲線の型に拘わらない。このため、例えば、富裕層と貧困層の比率が異なっていても、同じ係数となることがある。
 上記の例で言えば、一人の王様が全体の3割を所有し他の全ての国民について格差がない社会でも、逆に3割の何も持たない奴隷層とその他7割の格差のない市民層の社会の場合でもジニ係数は、0.3である。
 なお、この場合について、どちらがより平準度が高いかという明確な定義があるわけではない。

ジニ係数の目安
〜0.1平準化が仕組まれる人為的な背景がある
0.1〜0.2相当平等だが
向上への努力を阻害する懸念がある
0.2〜0.3社会で一般にある通常の配分型
0.3〜0.4少し格差があるが、
競争の中での向上には好ましい面もある
0.4〜0.5格差がきつい
0.5〜特段の事情がない限り是正を要する
 右の表は、1つの目安であり、個々の具体的ケースに当てはめて検討する必要がある。
 例えば、住宅・土地に関する資産格差は、借家を積極的に選択する人が一定割合いれば、ジニ係数が大きいだけで問題があることにはならない。


 他方、ジニ係数について地域間の比較をする場合、ジニ係数の格差が単にそれぞれの地域の構成員の属性の格差を表している可能性があることに、留意する必要がある。
 例えば、単身の学生等が多い学園都市と家族が住む新興住宅都市で世帯資産のジニ係数を比較すれば、学園都市のジニ係数が大きくなることが事前に予想されよう。

 なおジニ係数は平等度を捉える指標であるが、ジニ係数が小さいほど平等度が大きく(高く)なり、大小の方向が逆になっている。文章で表す際には、この点に留意して、分かり易い記述を工夫することが求められる。ちなみにジニ係数を「格差」を表す指標と捉えれば変化の方向は同じくなる。

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