第2章 環境制約への協調した対応
第1節 環境制約の課題

第1節 環境制約の課題

趣旨
 経済開発の検討の中では捉え難いが、地域社会、国際社会を破局に招く可能性がある、重要な課題がある。
 今後21世紀の早い時期に、水資源問題、食糧問題、エネルギー問題、さらには地球温暖化を含む環境問題等が、地域の課題として、一層明確になってこよう。
 その影響・厳しさは、国・地域毎によって差が大きい。しかし、例え日本であっても、直接的・間接的に重要な課題として浮かんでくることは間違いない。
 地域・世界の破局を招くと考えられるこれらの課題については、それぞれ十分に見通しておく必要があろう。
 これらは、地球全体の問題でもあるが、地域なりに共同して対処していく課題でもある。

 このような限界への遭遇については、中国での経済成長の結果、人々が現在の先進国の人々の消費に匹敵する消費を行うことを想定するだけで十分に理解される。




1.水資源

要約
 現在、世界に、深刻な水不足に陥っている5億人程度の人、新鮮な水を入手できない10億人を超える人がいる。今後、人口増加と都市集中、さらに異常気象等の影響によって、水不足に苦しむ人は、著しく増加すると予想されている。
 水は、一般に運搬困難であり、また地域毎の固有の事情があり、地域毎で解決していかざるを得ない。しかし、水不足の多くの地域は、貧困地域であり自立的な解決が困難な側面を持っている。
 東アジアでは、中国華北での水不足が厳しく、砂漠化とともに重大な課題となっている。

次ページ



(1) 水資源の動向と課題

水不足
 世界の一人当たり水の使用量には、国によって大きな格差がある。
 現在世界で5億人程度の人が深刻な水不足に陥っている。2025年には、世界の30億人(4割)の人が深刻な水不足に直面すると推計されている(世界水ビジョン)。


 水の賦存量については、地域によって大きく異なる。
 しかし、人々は、これまで、そうした各地域にそれぞれの工夫で住んできている。
 この点から考えれば、水不足の問題は、その賦存量というより、使い方の問題として捉えたほうが適切であろう。
 これは、「世界水ビジョン」の視点でもある。


 経済開発の過程で起こっている、人口増加、都市化等による汚染、農業開発による大量使用等が原因となる。
 また、水の確保のためのやみくもなダム建設等は、環境破壊を破壊する側面があり、安易に着手できない。
 水は、水路等の利用はあっても、他の物資のように遠隔地への運搬は困難であり、地域毎の問題といった面が強い。
 しかし、深刻な不足が生じた場合には、地域の住民は、国境等に関わらず移動することとなり、深刻な紛争を招く。
 また、水の不足は、食糧生産に波及し、世界の食糧事情にも大きな影響を与える。

 なお、気象変動による降雨の変動等も今後大きな課題となってくる。


 東アジア地域では、中国北部が地域的に深刻な水不足に面している。特に、黄河については、下流での断流が年々厳しくなっており、困難な課題として浮かんできている。
 韓国についても、深刻な水不足を起こしがちな地域である。今年(2001年)も、水稲作付け期の日照りが大きな問題となった。
 日本は降水に恵まれているが、地域的には、困難な事態に直面することが起きている。

 なお、日本・韓国が食糧輸入は、膨大な水の輸入に相当しており、本質的には、重大な水問題を抱えているとの指摘もある。


 なお、第3回世界水会議が2003年に日本で開催されることとなっており、準備が進められている。


(May.10,2002.Add.)





(2) 砂漠化

「砂あらし
中国大陸縦横無尽」
朝日新聞Apr.19.-01.
砂あらし
(沙塵暴;シェーチャンパオ)
発生回数
1950s5
19608
1970s13
1980s14
1990s23
2000(1年間)12
2001(報道時点まで)6
 水不足と関連して、中国北部では、砂漠化も厳しい問題となっている。



森林保全




参考文献
The World Bank "China;Air, Land, and Water"--environmental priorities for a new millennium-- Aug.09,2001

情報源
Earth Policy Institute
World Water Oreganization


次ページ
章目次
トップページ

(Apr.19.-01.)