飼料用穀物需要の急拡大=中国
潜在生産能力の漸減=韓国・日本
−−食糧需要と穀物生産−−

中国

 中国の食肉供給については、重量ベースでは豚肉がその2/3(67%)と大部分を占めている。これに次ぐのは、家禽類であるが、牛肉も近年著しく増加している。
 これら肉類の供給は、ほとんどが国内生産で賄われている。家禽類で一部輸入があるが同程度の輸出もある。
 ただし、図に表れている僅かな輸入については、'90年代末に急拡大したものであり、今後の動向に留意が必要である。例えば、最近は、オーストラリアから牛肉の輸入も始めたとのことである。


 穀物の需要内訳を見ると、食料用として米が最も大きいが、次いで小麦も大きい。また、飼料用を含めトウモロコシの需要大きい。この結果、これら3穀物の総需要が同程度で並んでいる。


 穀物の供給については、ほぼ全量が国内生産で賄われている。


 穀物生産の推移を見ると、1980年代前半には著しい増加があったが、以降約10年間は横ばいが続いていた。さらに'90年代後半に再び増加が見られたが、'90年代末にまた停滞している。
 米の生産は、華南を中心に行われているが、経済開発の進展に伴って農地の改廃があり、これが生産性の向上と相殺している面がある。ただし、生産性の向上も限界に来ていると見られ、今後は減少に向かうことが懸念される。
 小麦の生産は着実に増大を続けており、'90年代後半に自給水準に至った
 これは、生産性の向上に伴って着実に増加してきたものでありが、その限界に近づいているとされている。
 トウモロコシの生産についても着実に拡大しており、'90年代にさらに大きく拡大している。これは飼料用需要の拡大に伴うものである。
 トウモロコシの生産は、東北、華北を中心に行われており、作付面積も拡大されているが、限界的な地域での拡大と見られ生産性の向上が滞っている。
 以上のように、中国の穀物生産には、耕地の改廃、生産性の限界、飼料用需要の拡大の課題がある。
 この部分の記述は他ページの情報も引用しており、今後、全体を再整理する予定です。


韓国

 韓国の食肉供給については、重量ベースでは、豚肉が半分強(57%)であるが、家禽類(24%)、牛肉(18%)もそれぞれ多い。
 これらの肉類の供給については、豚肉では、概ね自給(輸出入は相殺(1999年))しているが、牛肉では半分近く(44%)を輸入に依存している。


 穀物の需要については、飼料用を主体としたトウモロコシが最も大きい。
 これに次いで、米、小麦が並ぶ。このうち小麦については、約半分を飼料用としている。


 穀物の供給については、生産の太宗は米で占められており、ほぼ全量を自給している。
 これに対して、トウモロコシ、小麦などはほぼ全量を輸入に依存している。


 米の生産については、1980年代央にピークがあり、以降、約10年間減少し続けたが、近年は停滞、微増気味で推移している。
 これは、ソウル周辺等での都市化する地域での耕地の壊廃に対し、別途、全羅南道等での新たな水田の拡大が相殺しているためである。また景気停滞の中で、農地壊廃も伸びていないものと見られる。
 今後、景気の回復とともに、耕地の壊廃が再拡大するとともに、他方で過疎地域での耕作放棄地が拡大するなど、さらに自給率の低下が進むことが懸念される。
   また、食肉需要の拡大も予想されるが、これは耕地需要としてではなく、輸入需要の拡大として現れていく。


日本

 日本での重量ベースでの食肉供給量については、豚肉が最も多いが半数は超えず(41%)、家禽類(35%)、牛肉(23%)それぞれ多い。
 このうち食肉についてはその過半(69%)を輸入に依存しており、豚肉(43%)、家禽類(38%)の輸入もそれぞれ多い。


 穀物の需要の構成については、飼料用を主としてトウモロコシ(38%)が最も大きい。これに次いで、食糧用の米(20%)、小麦(15%)も大きく、さらに加工用を主とする大豆(12%)が続いている。


 穀物の供給については、韓国と同様、米については100%近くを自給しているが、逆に、トウモロコシ、小麦、大豆については100%近くを輸入に依存している。
 なお、米についてはミニマムアクセスへの対応から、ある程度の輸入が行われ始めている。


 日本での米の生産については、'80年代半ばをピークとして漸減が続いているが、これは耕地の都市的利用による壊廃及び過疎化による放棄を伴って進展している。
 1993年の不作の後、一旦は大幅に回復したが、ミニマムアクセスによる輸入拡大もあり、その後大幅に減少している。
 耕地の減少により潜在的生産能力も低下させており、今後の動向、方針が懸念される。こうした観点では、日本は韓国と類似した課題を抱えているといえよう。


情報源
FAO統計

(統計データ)

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(Mar.15,2002.)