上がる気温
−−韓国・日本各地での上昇の実態−−

 地球温暖化の危機を迎えているが、現在実際に各地の気温はどのように変化してきているのであろうか。
 ただし、温暖化の影響は地域によって様々な形で現れる。また気象現象は、日々、年々、変化するとともに、様々な期間の循環的な変動も重なっていよう。このため、わずかな期間の年間平均気温を追っただけで、それがどのようになっていようとも、地球温暖化が進んでいると証明できるわけではない。
 現実の気温の変化は、このような留保条件を十分に念頭に置いた上で、眺める必要がある。

 韓国と日本の各地の最近の気温の変化については、それぞれの地点で明確な上昇の趨勢が見られる。具体的には、2次曲線(放物線)の回帰近似曲線を描くと、下に凸となり、それぞれある程度の相関係数を持っている。
 このことから、事実として、現時点で上昇の趨勢がある。
 ただし、各地点は主として都市に位置しており、いわゆる局所的なヒートアイランド現象が強まっているのみの可能性も否定できない。
 こうした中で、都市的影響が少ないと考えられる済州(Jeju)については、概ね1980年代の半ばを底として上昇に転じている。日本でも、富山、及び島根(松江)で'80年代前半が底となっている。
 
 極めて乏しい情報であるが、このようなことから判断する限り、韓国・日本では、少なくとも'80年代には気温が上がり始めていると捉えることができよう。ただし、これが長期的な地球温暖化の影響かどうかは、限りなくそのように思われるのだが、判断は留保しておく。

 この分析で、2次曲線を使うことは、底の時点以前に気温の降下があったことを想定していることとなり、必ずしも適切な線形ではない。
 しかし、例えば、富山の1960年からの変化をたどると、実際に降下した時期が観察される。
 ただし、かえって、このことから、降下局面の原因の説明がなければ、上昇局面の原因も勝手に規定することが難しくなってくる。
(統計データ)

(May.14,2002.)


 
 なお、地球全体の平均気温は、'70年前後を一つの底として、上昇し続けている。

(統計データ)

(Aug.20,2004.Rev.)


 
 ちなみに、地球の長期的な気候変動については、地球と他の惑星との位置関係による歳差運動、離心率、回転軸の振れに、南半球と北半球の陸地・海洋比率の違いが重なって寒冷化・温暖化が周期的に発生してきたというミランコビッチにより提唱された説がある。
 この周期説は概ね第四紀後半の気候変動を説明しているとされている。

 現在、温暖化を経た後の長期安定状況にあるが、ミランコビッチの周期からは寒冷化の過程にあるとされ、これが人の行為による温暖化の中で撹乱されているという見方がある。
 このため、地球上の反射率のわずかな変化等で、寒冷化が急速に進む可能性もあり、また、温暖化に比較して、むしろ急速な寒冷化への対応の方が困難との考えもあり、警告を発する人もいる。
 確かにこうした状況にはまり込めば、温暖化以上に深刻な状況となることも想定できよう。

 ただし、このような曖昧な情報の中で、危機管理としてどうのようなことを勘案すればいいのか。専門家でない者にとって、自ら科学的な事実を深く探ることは困難だが、現実に温暖化が進捗していると見られ、温暖化ガスの抑制方向の努力が必要と思われる。つまり、IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change:気候変動政府間パネル)に沿う発想を持たざるを得ないだろう。なお、IPCC自身が、温暖化が現実にありそれに対応すべきという前提に条件付けられ、曖昧なものを断定しすぎているという批判もある。

(Feb.07,2003.Add.)


情報源等
CRU(Climatic Research Unit, University of East Anglia,Norwich, UK )
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