第3章 新たな共生への道
第2節 各国の危機管理による共生
要旨
各国は、食糧、エネルギー等の国内的な不足は、世界の貿易市場から購入し賄っている。しかし、必要な量を妥当な価格で購入し続けることができる保障はなく、非常時への危機管理が必要である。
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| 基礎的資源の安全保障(暫定的整理) |
| 食糧 | エネルギー |
国内供給の 安定化 | 生産の確保 | 企業的経営の拡大 生産要素の保全 | 多様なエネルギー開発 |
| 備蓄の拡大 | 拡大 | 拡大 |
| 輸入の安定化 | 開発輸入 輸入先の多様化 | 開発輸入 輸入先の多様化 |
需要の 削減 | 消費効率の向上 | 無駄の削減 | 技術開発 |
| 消費の代替 | 食生活の見直し | 交通体系等の見直し |
水、食糧、エネルギー等は、人間の生存に不可欠であり、主権国家としては、この安定的確保に最大限の努力を払う必要がある。
通常、食糧、エネルギーの国内生産での不足分は貿易を通じて入手している。また、水の不足については、輸入には経費が嵩み困難であるが、国内での水の利用を農業から都市用水、工業用水に転換し、結果として現れた食糧の不足分を国外に求めることとなる。
現在、貿易は、自由市場体制(WTO体制)のもとで展開されている。しかし、妥当な価格での必要な量の輸入が恒久的に保障されているわけではない。
世界貿易市場において、供給が不足すれば、物資の価格は上がり需給が調整される。これに対して、資金力のある先進国はある程度耐えることができ、その入手を継続できよう。しかし、発展途上国は入手困難となる。これは、自由市場として当然のメカニズムであるが、生活に不可欠な物資の絶対的欠乏に至った場合、自由市場のあり方自体が問われる可能性もでてこよう。
この際、それぞれの国なりの見識のある危機管理をしていることが、強く問われる。
さらに物資の不足が講じると、先進国であっても輸入困難に陥ることは当然考えられる。
(1) 東アジアの状況
日本・韓国
日本の食糧自給率は極端に低い。さらに人口規模が大きく、諸外国からの膨大な輸入によって生存を維持している。また、韓国も人口規模の大きな国の中では、やはり自給率の低い国である。
中国
中国は、1990年代に至り、食糧を自給する水準まで生産力を高めてきた。しかし、環境条件から見て、生産が次第に減少する可能性がある。一方、購買力を形成してきており、食糧需要構造の変化ともあいまって、国際市場の中で、大きな需要者として登場してくる可能性も否定できない。
(2) WTOでの交渉
農産物の貿易については、例えば、日本の米については、既に関税化されており、さらに税率の切り下げが迫られており、対応に苦慮している。
一方、中国については、主要農業生産物は、必ずしも国際競争力がない。このため、WTO加盟後の現在の情勢の中で、例え一部地域に余剰な生産があっても、他地域で国外からの購入が行われるなど、輸入拡大が進む可能性がある。
(3) 食糧危機
世界の食糧生産国・輸出国としてのアメリカの農業生産は、必ずしも持続可能な生産様式を取っていない。土壌の流出とともに、旱魃等による大幅な減産が常に懸念されている。アメリカと並ぶ食糧の巨大生産国としての中国も、その生産様式は極めて脆弱である。一旦、両国が同時に不作に見舞われ、世界の食糧不足が起きる可能性があり、地球温暖化の中で、世界の食糧需給体制は極めて危うい状況にあるといえよう。
各国の食糧の過不足については、輸出入によって調整されるが、ここでは自由貿易が国際社会での原則となっており、それを妨げる行為は咎められることとなっている。ただし、非常時に当該国内の事業者が利益を求めて輸出を行うことを規制することは咎められないようである。つまり不足国から言えば、自由競争メカニズムに則った輸入は義務付けられても輸入する権利がともなっているわけではない。また、世界的な非常時にあった場合、持てる資金力によって、一国で高値買いをすることは、国際社会で顰蹙を買うこととなろう。
地下水位が低下し、土壌の侵食が激しいような略奪型農業と日本の稲作のような持続可能型農業が自由競争をすべきという議論は、短期的に競争力を持つ略奪型農業が世界の農業を駆逐した後に、自らの農業生産も疲弊させ、世界全体の危機をもたらす可能性があり、理不尽なものと考えられる。ただ、日本や韓国がこのような主張を展開するには、自らの農地の改廃をあまりにも安易に進めており、真摯な主張とは捉えられ難いであろう。
(4) 危機管理
農産物等の自由貿易の是非の議論はともかく、実態として採られている現在の体制の中で、非常時に備えた危機管理は、主権国家としての重要な課題である。
具体的には、自由競争メカニズムの中で輸入を続けつつ、非常時には一定程度を自給する状況に転換可能な体制を構築しておく必要があろう。
これは、一定程度の備蓄を持つとともに、潜在的な生産力の維持として、農地を何らかの形で維持するとともに、非常時には即座に生産を再開することができる体制が必要である。
具体的には、農地に関連する土地利用の厳格な管理、中核的農業従事者への開放は大きな課題であろう。この方向性を明確にするとともに、実際の生産とは切り離した(デカップリング)による支援を明確に展開していく必要がある。
以下については、まだ、内容を整理していませんが、取り敢えず掲載いたします。
(1) 東アジアの状況
日本、韓国は石油等のエネルギー資源には恵まれていない。
また、中国についても、自動車の急速な普及が始まりつつあるなど、今後の経済開発の下で、一層不足することが確実視される。
こうした中で、エネルギー資源確保のための国際的競合が一層厳しいものとなっていくだうろ。
(2) 危機管理
エネルギー資源の危機管理については、多面的に取り組んでいく必要がある。
まず、輸入の安定のためには、多様な輸入先の確保が必要である。
また、危機管理として、石油の備蓄を積み増していくことも求められている。
さらに、特定のエネルギー資源ばかりに依存するのでなく、その多様化を図っていくことも必要である。
他方、地球温暖化への対応が求められる中で、消費の抑制も重要な課題である。
(統計データ)
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(Dec.04,2003.Rev./Jun.15,2001.Orig.)