自由貿易と農業

WTOにおける農業の位置付け
(ウルグアイラウンド農業協定)

○市場アクセス
非関税障壁を撤廃し、例外無き関税化。
一定量までは関税を低く設定(関税割り当て)。
一定量の輸入(ミニマムアクセスの導入)。
特別の場合は予防措置(セーフガード)。

○国内支持
直接に農業生産を刺激するような政策(「黄」の政策)は削減。
その他の政策(「緑」の政策)は許容。
黄色と緑のグレーゾーン(「青」の政策)は今後協議。

○輸出補助金
原則として一律に削減。
 WTOのもとでは、農産物も自由貿易の枠組みに組み込まれつつある。
 これに対して、農林業等の第一次産業が自由貿易に馴染むかといった議論がある。
 国家に主権がある国際関係の中で、異常気象等による食糧の絶対的不足が生じた場合、その確保が保障されない制度は、危険の大きい制度であることは間違いない。

 しかし、日本がアメリカより農業の生産性が低いことは自明であるとか、農業は食糧生産以外の重要な機能を持つとして、自由貿易に反対することには留保が必要だろう。
 産業としての農業の形成に殆ど努力していないもとでは、こうした議論に説得力はない。また、保水、景観等々の機能は、雑木林の整備等で一層効果的に代替できる。

 食糧の安全保障については、日本の土地利用制度の運用にけじめをつけ、農地を保全しつつ、それを有効に活用する農業者に開放することがまず必要なのではなかろうか。
 現状では、兼業農業によって農業の維持を図っているが、企業的経営をする者にしっかりと委ね、それでも経営困難な場合は、直接所得補償(デカップリング)を行うこともできよう。WTOでは、デカップリングは、緑の政策に位置付けられ、許容されている。
 いずれにしろ、日本の食糧の安全保障をいかに確実に、かつ安価に確保できるか知恵を絞り、覚悟をする必要がある。

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(Dec.06,2001.)