日本海学とは


1.定義

 「日本海学」は、環日本海地域全体を、日本海を共有する一つのまとまりのある圏域としてとらえ、日本海に視座をおいて、過去、現在、未来にわたる環日本海地域の人間と自然のかかわり、地域間の人間と人間とのかかわりを、総合学として学際的に研究しようとするものである。

2.目指すもの

 「日本海学」は、環日本海地域及び日本海をひとつの循環・共生体系としてとらえ、長い歴史の中で繰り返されてきた循環・共生システムを学び、将来起こり得るさまざまな問題を予測し、これに対処する備えを用意することにより、地域全体の危機を回避し、ひいては健全な地域・地球を子孫に引き継いでいくことをめざすものである。また、地球的規模で総合的に地域の問題を考える切り口を提示するとともに、共生の価値観への転換を図り、直線的発展の文明観から循環的な文明観への転換をめざす。さらに、国家中心の考え方から地域中心の考え方への転換を図り、地域のアイデンティティの確立をめざすなど、21世紀における人間の生き方に対する問いかけも視野に入れるものである。


3.視点

日 本 海 学 を 考 え る 3 つ の 視 点
「循 環」 環日本海地域が周期性をもった
地球全体の自然環境システムの中で
存在しているという視点
「共 生」 環日本海地域における人間と自然との共生、
日本海を共有する地域間における
人間と人間との共生の視点
「日本海」 環日本海地域において、
日本海が果たしてきた役割、意識を問い直し、
これからの日本海との関係をみつめる視点












4.構成

大項目 学問テーマ
環日本海の自然環境 環日本海の環境変遷と予測 →解説
環日本海の交流 交流を生んだ要因 →解説
交流の形態 →解説
環日本海の文化 環日本海民族の文化 →解説
海の思想、信仰 →解説
環日本海の危機と共生 日本海環境をめぐる危機 →解説
日本海との共生 →解説
海をはさんだ共生 →解説



5.関係自治体の合意

 「日本海学」を進めるにあたっては、環日本海地域の人々と手を取り合い、知恵を結集しながら具体化を図っていく必要がある。平成13年7月に富山市で開催された「北東アジア地域自治体連合(※)」一般交流分科委員会においては、参加自治体が「日本海学」をともに支援していく方向で合意がなされた。とりわけ、「日本海学」の研究4分野のうちでも「環日本海の危機と共生」を最優先に取り組むべき課題と認識し、「日本海学」を推進する中で、文明間の相互理解と世界平和、環境との共生による持続的発展という21世紀の新たなパラダイムを環日本海地域から提案していくことで意見の一致をみた。

 ※注 北東アジア地域自治体連合
 北東アジア地域における交流・協力を推進するために設立された自治体による国際組織。現在の会員は、日本、中国、モンゴル、韓国、ロシア及び北朝鮮の39自治体。総会にあたる自治体会議や実務委員会の開催をはじめ5つの分科委員会が活動している。


6.逆さ地図からの発想

 富山県では 「環日本海諸国図」(通称:逆さ地図) を作成している。この逆さ地図を見ると、日本海が大きな湖のように見える。対馬海峡、宗谷海峡、間宮海峡という狭い海峡以外は陸地に囲まれた、湖のような日本海を囲んで、大陸、朝鮮半島、そして日本列島が一体的なものに見え、日本が大陸から切り離された島国だという見方ではなく、海を挟んだ環日本海、北東アジアと一体的な地域であることが、視覚的にイメージできる。
 島国日本という発想に陥りがちな従来の見方を変え、日本は、地球という球体においてどのような位置付けにあるのか、また、その中でどのような役割を果たしていかなければならないのか、柔軟な発想で考えていかなければならない。

環日本海諸国図 (通称:逆さ地図)





→日本海学推進機構トップページ
→分野別報告一覧 日本海学の構想「提唱」の分野