日本海学グループ支援事業

2024年度 助成概要と研究成果


日本海学グループ支援事業

2024年 助成概要と研究成果

 日本海学研究グループ支援事業の概要とその研究成果を公開します。

1.応募件数及び助成決定件数

 応募総数    6件(新規事業3件、継続事業3件)

 助成決定件数  7件(新規事業3件、継続事業3件)

 (うち1件、令和6年能登半島地震の影響による次年度繰越)

2.助成金額

 上限50万円(概ね総事業費の1/2程度で審査会で決定) 

3.助成を決定した事業の応募者及び事業名

申請者

事業名等

事業の概要

橋本 裕之

日本海沿岸部における中世前期の祭礼芸能に関する文化資源学的研究

日本海沿岸部は中世前期に淵源する祭礼芸能が数多く分布している。特に、王の舞や獅子舞は福井、石川、富山で伝承され、地域社会に定着して個性的な民俗芸能に発展している。中世前期の祭礼芸能が各種の文化資源として機能している様態を分析する。

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小木曽 正造

九十九湾沖合海域の海底地形図作成と底質粒度・動物相の解明、マシコヒゲムシの新たな生息地の探索

富山湾中心に向かって急激に深くなる能登半島九十九湾沖において、水深300mまでの広範囲な詳細な3D海底地形図を作成する。さらに水深200~300mの深海域で海底堆積物を採取し、底質の粒度組成と動物相を明らかにする。これまで浅海域でしか見つかっていない環形動物マシコヒゲムシの深海域における生息地を発見する。

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荒川 隆史

ヒスイ原産地遺跡から見た縄文~古墳時代におけるヒスイ素材の供給について

縄文~古墳時代に利用されたヒスイの唯一の原産地である糸魚川地域から消費地へのヒスイ素材の供給について検討する。研究過程でヒスイ加工のために加熱処理が行われていたことが分かった。原産地と消費地のヒスイ玉を観察して製作工程と加熱処理との関係を確認し、ヒスイの素材供給から玉製作に至るプロセスを検討する。

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富山県立魚津工業高等学校

環境科学部

代表 髙栁 真里子

うみとやま 工業高校生による自然との共生を学ぶ環境教育材料の開発

2050年カーボンニュートラル実現に向け、全国各地で脱炭素に向けた取組みが急速に進んでいる。そこで、工業高校生が人間活動によって排出される廃棄物が土壌や水質に及ぼす影響を調査・研究し、安心・安全な生活を支える情報発信や新たな環境保全技術の提案を行うことを目的とした。

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三神 崇重

令和6年能登半島地震が富山湾の深海食物網に及ぼす影響評価~ベニズワイガニの持続可能な漁業の在り方を探る~

令和 6 年能登半島地震以降、漁獲量が大幅に減少したベニズワイガニの持続可能な資源利
用のため、今だ理解が乏しい本種の食性について調査を実施する。特に本研究では、齢別
の食性変化について胃内容物と同位体分析から明らかにする。また、地震によって影響を
受けたと考えられる本種の生息域における底質や深海食物網の変化についても評価する。

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経沢 信弘

能登の魚醤(いしる)について

2014年1月1日16時10分に石川県能登半島地下16㌔mで最大震度7の地震が北陸中心に襲った。能登半島では塩田をはじめ酒蔵などが被害にあった。なかでも魚醤(いしる)の被害が甚大であった。調査では輪島を中心に製造業者などの聞き取りと自分で魚醤作りに挑んだ。

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納屋内 高史

先史農耕社会における富山湾資源利用史に関する基礎的研究 ―富山県氷見市大境洞窟遺跡出土資料の再検討―

主たる分析対象を富山県氷見市大境洞窟遺跡出土資料とし、骨角器の分析を中心としながら、他遺跡との比較も行いながら、先史農耕社会というべき弥生時代を中心に、日本海沿岸における富山湾沿岸の資源利用の縄文以来の伝統とその変化を明らかにする。

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