日本海学グループ支援事業
2008年度 助成概要と研究成果
平成20年度 日本海学研究グループ支援事業の概要とその研究成果を公開します。
1.応募件数及び助成決定件数
応募総数 14件(新規事業 11件 継続事業 3件)
助成決定件数 11件(新規事業 8件 継続事業 3件)
2.1件当たりの助成金額
概ね20万円から50万円
3.助成を決定した事業の申請者及び事業の内容
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申請者 | 事業の名称 | 事業の概要、成果報告 | |
継 続 |
野口 順子 |
ワスレグサ属植物の 進化プロセスと適応進化 |
北東アジアに分布するワスレグサ属植物の変遷史と進化、そしてそれに伴って起こった適応進化について明らかにする。本研究では、18年度にシベリア極東地域で野外調査と収集を行った植物材料に関してDNA解析を行い、この属の植物の起源初期の進化プロセスと適応進化について解明する。その結果から、これらの植物群に及ぼした日本海の影響に関して推察する。 (→成果報告を読む) |
富山伝統的 食文化研究会 会長 田中 晋 |
魚食文化調査研究事業 |
中近世の富山県において発達した伝統的食文化を調査研究し、その記録保存のための出版や電子データの作成を目的とする。特に魚食文化を中心的な対象とし、富山県内の調査と日本海沿海各県の資料収集にも努める。最終的に、レシピの作成と復元も試みるとともに、総合報告書を出版する。 (→成果報告を読む) |
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鳥山 成一 |
立山等における東アジア由来の 大気汚染物質等の把握 |
中国等の東アジアの産業活動活発化に伴い、酸性雨や黄砂のみならず有害大気汚染物質についてもその飛来が予想されている。地表の影響を受けず測定に適した標高2,450mの立山室堂において、有害大気汚染物質を測定し、東アジアからの影響を調べる。 (→成果報告を読む) |
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新 規 |
中村 由克 |
先史時代における 『日本海文化』成立にかかわる 石器石材環境の基礎的研究 |
日本海沿岸を中心とした文化圏が誕生した旧石器時代には、北陸地方を中心とした日本海沿岸地域に独自の石器文化が発達したことが知られている。これらの石器文化は、特定の石材を主要な材料として選択している。そこで本研究では、原産地の分布が限定される緻密な安山岩の現地調査(福井・石川・富山・新潟・長野)により、石器の種類の鑑定、原産地の特定を行うことで、当時の人類の移動経路及び地域文化成立の要因を解明することを目的とする。 (→成果報告を読む) |
龍 世祥 |
環日本海地域における 共通価値と その創出メカニズムに関する研究 |
グローバル化に伴って地域統合が進んでいる。そこから普遍的共通価値と地域的共通価値の存在性が証明できる。環日本海地域を対象として、この地域的共通価値及びその創出メカニズムを、自然・人間・経済を統合した循環社会の視点から福祉価値、経済価値と自然価値の三次元価値空間において把握し、探求する。 (→成果報告を読む) |
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富山県立 海洋高等学校 海洋クラブ潜水係 代表 福光 義明 |
滑川高月海岸におけるアマモ定植活動 |
富山湾は生物層の豊かな海として知られているが、滑川市高月海域においては、年々藻場の減少が進行している。中でも海水浄化作用があるアマモについては、平成16年を最後に当該海域から姿を消した。氷見市では広範囲に生息しているアマモの環境と高月海域の環境を比較し、生息条件について考察するとともに、高月海域での定植活動を行い、アマモによる環境の浄化と豊かな海づくり、漁獲量の向上を目指す。 (→成果報告を読む) |
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岡本 勝規 |
中古車輸出販売業の振興に向けた 港湾施設整備に関する調査 |
現在、伏木富山港周辺にはロシア人を顧客とする多くのパキスタン人中古車業者が集積している。彼らの経済活動はかなりの規模を持っており、既に無視できない存在である一方、地域住民との摩擦も生じている。本研究では、パキスタン人中古車事業を地域にとって重要な地場産業、港湾にとって重要な荷主と捉え、彼らの経済活動を港湾物流政策の中に取り込むことを企図する。具体的には、先進地域の港湾(ドバイ、ウラジオストク)を現地調査し、伏木富山港の港湾振興計画に役立てたい。 (→成果報告を読む) |
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金沢大学 日本海貝形虫 進化研究グループ 代表 森下 知晃 |
貝形虫の日本海環境への適応と 環境変動モニタリングのための 基礎データ採取 |
貝形虫は、二枚貝の石灰質の殻を持ち、古い地質時代にも豊富な化石記録を残し、現在も多様化、繁栄している生物の一つである。本研究では、能登半島沖での定点調査(夏・秋・冬)を通して、日本海という環境変動の激しい地域での貝形虫の環境適応を明らかにし、日本海の過去から現在までの環境変動(そして将来の環境変動)を明らかにするための基礎データを採取する。 (→成果報告を読む) |
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古沢校下 ふるさとづくり 推進協議会 会長 村藤 政雄 |
『海を越えての交流- 杉谷4号墳と四隅突出墳-』 の出版事業 |
富山市域では、北陸と山陰地域との日本海交流を具体的に示す「杉谷四号墳」を始めとした四隅突出墳が多数発見されている。このため、解説書『海を越えての交流-杉谷4号墳と四隅突出墳-』を制作し、見学者や住民に配布のうえ、その意義について啓蒙普及を図りたい。 (→成果報告を読む) |
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食育研究会 いただきます! 代表 澤井 保子 |
環日本海の恵みの大切さを 考える食(魚)育事業 |
親子の参加を募り、ワークショップや料理教室を行う食育・魚育フェスタを開催する。それにより、環日本海(富山湾)の恵みの大切さ、及びそれを守るために実行することを、親子で考えるきっかけとする。 (→成果報告を読む) |
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特定非営利活動法人 日本文化交流センター 日本海民族音楽研究会 代表 中山 妙子 |
日本海地域の民族音楽研究 |
未来への社会貢献ができる芸術家の育成を目的とし、日本海地域諸国の民族音楽が歴史に果たした役割変遷を研究調査、及び民族音楽セラピー&地域活性化事業の現状分析を行う。研究成果は報告書にまとめるほか、発掘音楽の演奏披露コンサートも開催する。 (→成果報告を読む) |