会議

2003年度 運営委員会


平成15年5月31日午後1時30分~3時
東京都港区 虎ノ門パストラル マグノリア

Ⅰ 出席者

 伊東俊太郎会長、小泉格委員、丸山茂徳委員、安田喜憲委員、川口康委員
 事務局

Ⅱ 会議の概要

協議事項

(1)平成15年度事業の実施計画について
参考;平成15年度事業計画
(2)平成16年度事業の取組方針について


以下、次のような意見交換が行われた。

(1)平成15年度事業の実施計画について
講座、シンポジウム等

事務局説明

委員
 日本海学講座には非常に興味のあるテーマがある。当日の配付資料や講座の要旨などがあれば頂きたい。

事務局
 過去のものはホームページに載せてある。報告書もあるのでコピーする。

委員
 日本海シンポジウムについて、専門委員の伊豆見先生は、NHKKの解説などによく出ておられ、是非北朝鮮の見通しについてパネリストに加わって、ご協力頂くといい。

委員
 結構だと思う。これは事前に打ち合わせをするので、議論しながらどういう方向に行くか大枠を決めていきたい。

会長
 伊豆見先生がどこかに出られるのがいいかもしれない。逆にコーディネーターは丸山先生が適任だ。偏りのある人がコーディネーターだとよくないので、中立の立場の人に中に入って頂くということだ。

出版事業

事務局説明

委員
 私は自分の専門関係で前3集をやった。循環と共生、今回の自然環境の汚染、循環的な危機と共生、そこまでは責任を持って尽くしたい。あとはちょっと欠けている文化や文明や政治だ。

会長
 環日本海地域の危機と共生というテーマは時宜に適しており企画としてはよい。立花・丸山対談が実現したらおもしろい。

委員
 インタビューの綿貫・中井というのもよい。

事務局
 かっこになっている部分では、適任の方が分からないの。この分野ならこの人がいいというお知恵を頂きたい。

委員
 筑波大学名誉教授の吉野正敏さんがいい。気候の専門だが砂漠化の問題もなさっている。

研究事業

事務局から説明

委員
 日本海学研究支援事業を単発で終わるのではなく、継続的に裾野として広がっていくような位置づけで捉えて欲しい。草の根的に、例えば地元の学校の先生がネットワークを組んで環境、酸性雨などの非常に緻密なデータを集めるとか、そういった形で地域から発信していくということが将来できるようになるとよい。

会長
今何件応募があるか?

事務局
 16件である。
 昨日締め切りであったが、たくさんの反応がありうれしい悲鳴を上げている。地域でこういう新しいものがどんどん出てくるというのが本来の活動の目的でもあり、この研究の成果を日本海学講座やホームページで発表する機会を作りたい。できるだけ採用できるように200万円の枠についても財政当局と相談してみたいとも思っている。

委員
 興味があるからトライしたのに全然駄目ではないかという失望感があると、いい応募が集まらなくなるので最初が肝心だ。発表などのエンカレッジングの場を設け、次の発展に繋がるようなサジェスチョンをいろんな人にして頂くといい。

会長
 発展性のあるものにしていくにはいい手当をすることが必要だ。玉文化の交流については国際的な視野も広く、環日本海文明交流圏の一つの目玉になるテーマだ。データもかなり出ており、2月に了承頂いた案でありますのでよろしくお願いする。

会長
 立山の方については、日文研だけでなく、國學院大學教授で山岳仏教の専門家の宮家準さんのような人も入るといい。

委員
 少額で草の根的なものと、一点豪華主義というほどでもないですが本格的なものと、重層的にやるという戦略はとてもいい。

平成16年度事業の取組方針などについて

委員
 これが始まってから丸3年ぐらいだが、2つ気になっていることがある。
 1つ目はもうそろそろ周辺の環日本海地域への目配りや、連携が必要だ。新聞社で連携しているが、私たち研究サイドでの連携もそろそろ心がけた方がよい。少し意識的に束ねていくリーダーになる心がけを持たれた方がいいのではないかという危惧を持っている。
 もう1つは対岸のロシア、中国、韓国等との交流で、日本海学の色々な分野を超えてやっていけるといい。

委員(川口)
 他県との連携の話でいくと、脱富山県がないとまずいかなと思っている。
 富山などといわない名前の機構で発足したのもそのステップの1つであり、富山のではなく日本の日本海学というイメージができるといい。
 対岸の関係については、富山県と兵庫県が北東アジア自治体連合という会議をやっており、環境分科会等で富山県が尽力している。そこで投げかけていってみなさんで協力しましょうという話にはなっている。結論的に言うと日本海学を国家プロジェクトにしてもらいたいと思っている。

委員
 予算の面もあろうが、将来的には富山県が音頭を取って日本海サミットをするべきだ。各国のリーダー、日本海沿岸の都道府県の知事を呼んで、日本海の環境保全と平和を緊急に打ち出さなければいけない時に達している。

委員(川口)
 富山県はもう30年ぐらい日本海沿岸地帯振興連盟の事務局をしているが、別のイメージで日本海学を日沿連の事業の中に入れていこうという戦略を立てている。富山県主導では皆さんが集まらないけれど、相手国から日本海側に少し提案してもらうという流れができればと、戦略的には思っている。

委員
 政治が前面に出てくると難しいので、研究者をうまく使うというのが1つである。もう1つはいきなりというのは難しいので、外国に対しても助走の部分が必要であり、富山県が中心になって根回し的な部分を担うとよい。

委員(川口)
 どんな手順でやれば今指摘があったような形になっていくか、至急相談して考えたい。

委員
 いきなり日本海サミットという政治・経済の話にはなりにくいので、学問的な話を第1部にしておいて、それを受けて経済、政治の話に持って行くという3部構成のような構成がよい。北朝鮮問題がこじれたら日本海学が正規にやれなくなってしまうので、来年再来年ぐらいにもう計画しないといけない。実務派で緊急に計画だけでも立てられた方がいいと思う。

委員(川口)
 環境分野の学者が集まるシンポジウムや国際会議を少しやったらどうかと思う。行政経費を算出すると何千万円もかかるかもしれないが、自治体会議や日沿連の支援をもらいながら出発したらよいのではないか。

委員
 機は熟している。富山県が萌芽的なことを始めていい位置につけているのだから、うまく考えて戦略的に取り組めば非常にいい仕事ができる。

委員
 大学は独立行政法人で大分揺れ動いていて、どういう方向に行くかみな暗中模索している。
 ここで今富山県が打ち出すとすれば、環日本海大学サミットなど、各大学で日本海学あるいは環境問題について研究しているグループを一堂に集めるような仕掛けを国立大学に仕掛けることだ。県が仕掛けて国立大学を動かしていく時代になってきたと思う。環日本海大学サミットを伊東先生をヘッドにして仕掛けたら大変よい。

事務局
 実は、、環日本海の大学のネットワークを作れないかということで、一昨年、去年と富山大学にお願いして人的なネットワークを作って頂いているところだ。人的なつながりもできてきたので、今言われたような形に持って行ければよいと思う。

委員
 逆さ地図は地形図だ。これで植生図や地質図等、色々な要素の各種地図を6つ7つまとめて、ちょっとしたコメントをつけると1冊の本になる。

委員
 おもしろいことが一杯出てきて、一般の方だけではなく研究されている方にも役に立つかもしれない。学術的にも意味があって、学際的な広がりというものの助けになると思う。おもしろいので、わかりやすい解説を付けると売れる。

事務局
 読本に入れられればよいと思うので、大至急お知恵をいただきたい。

委員
 魚は富山大学教育学部の田中晋さんとコンタクトを取られるとよい。
 陸上の地質は古い方も新しい方も丸山さんで、私は日本海の海底の地形図と地質図をやる。

会長
 富山県の中では日本海学がかなり根を下ろして育ちつつあるので、富山県の中だけではなく広げていくという視野を入れていくことが必要だ。日本列島全体における日本海というものを考えるという意味で、新潟・秋田・金沢・福岡・札幌も視野に入れることが重要です。
 日本海サミットの話が出たが、国際会議には大いに賛成だ。平和の海を実現するということに役立つ。国にはむしろできないかもしれない。富山県がやれば、本当に日本海の未来にとってすごく大きな貢献をしたということになるかもしれない。
これで本日の会議を終えます。