会議

2009年度 運営委員会


2009年4月20日 13:30~15:30
富山県民会館601号室

Ⅰ 出席者

運営委員 青柳正規、雨宮洋司、今村弘子、張 勁、
藤野文晤、牧田和樹、飯田久範、佐々木外志
アドバイザー 中井徳太郎
富山県 石井隆一富山県知事、金森達雄国際・日本海政策課長
 事務局(3名)

Ⅱ 会議の概要

1 挨拶   石井隆一 富山県知事

2 会長選任

日本海学推進機構設置規程第5条第2項に基づき、委員の互選により、青柳委員が会長に選任され、青柳会長から就任挨拶が行われた。

3 会長職務代理者の指名について

日本海学推進機構設置規程第5条第4項に基づき、青柳会長から、秋道委員の会長職務代理者への指名が行われた。

4  議事

(1) 日本海学の経緯説明 事務局から資料に基づき説明

(2) 平成20年度事業の実施状況について 事務局から資料に基づき説明 →平成20年度事業一覧

(3) 平成21年度事業の実施計画(案)について 事務局から資料に基づき説明 →平成21年度事業一覧 

・日本海学の再設定

アドバイザー 10年を経て、「学問は何のためにあるのか」を問われる時代になってきた。日本海学は、循環と共生の学問だと言ってきたけれども、「学」という言葉のために、普通の暮らし感覚から遠い部分にあったのではないか。日本海学とは、「循環と共生と海の視点から、命をつむぎ、命をつなぎ、命を伝える」ことではないか。副題として、「無事で生き生きとした環日本海の暮らしを探る」。このように、日本海学とは何かという問いに対する答えを、命を前面に出して、県民に分かりやすい形で、作りなおすべきなのではないか。

委員 日本海学の軸が見えなくなってきているのではないか。孔子や孟子を学ぶということは、それを通じて生きる上での知恵を学ぶことである。日本海学は、philosophy(哲学)として、知恵を学ぶとか、継承するとか、広げるとかいったことであるべきである。地球環境はとても危うい状態にある。子孫に良好な環境を残すためというのではなく、もはや、私たち自身が年をとった時のためにという切羽つまった気持ちで、私は学生を指導している。そういったことを、子供たちにしっかりと教え込んでいく必要がある。

委員 学問は、よりよく生きるためにある。あまり難しく体系化していると時間がかかる。「こんなことが、こんなところで行われてますよ。」といった段階で、それをどんどん共有していくことが大事だと思う。先ほどの知恵という表現に共感する。

委員 平成10年頃に地域学がブームになった。地域学と称するものには、「トンデモ学」(学問と呼ぶに値しないもの)が多い。日本海学をphilosophyと考えれば説明はしやすいだろうが、「学」の名をつけているからには、体系と伝統が必要であろう。アドバイザーから新しい学問のあり方として話があったが、「すこし内向きになっているのでは」という印象を持つ。命、暮らしはとても大事だが、それだけだと少し内向きになってしまう。もう少し外向きにしたほうがいいのではないか。逆さ地図を見ても、日本だけでなく海外諸国があるわけで、富山県だけではないのだから。

・海王丸パーク・内川ミュージアムタウンとの連携

委員 当初から日本海博物館とは言わず、日本海ミュージアムと言っていたのは、富山湾沿岸を使ったフィールドミュージアムという考えが主流だったからだ。とはいっても、富山新港西側埋立地が拠点であることは間違いない。海王丸のところにある日本海交流センターで、日本海学としてこれまで蓄積してきたもの(60秒シアターなど)を展示することなどを、指定管理の条件にしたらどうか。それが、年間80万人の海王丸パーク来訪者へのプレゼントになり、射水市新湊地区の活性化につながると思う。

・日本海沿岸各県との関係、環日本海諸国との関係-交流から

委員 日本海は広いから、日本海に面した地方都市はたくさんあるわけだが、その人たちと、一緒に学問研究をやろうとしているのか。富山県だけがやろうとしているのか。また、日本海に面した国々との関係はどうか。

事務局 平成13年に、北東アジア地域自治体連合一般交流分科委員会において、参加自治体が「日本海学」をともに支援していくことで合意している。とはいえ、現実として各県が連携しあってやっているとはいいにくい状況にある。

委員 環日本海という地域をとらえたときに、富山だけではだめである。東北から山陰までひっくるめた地域が一体となって、この問題に取り組むことが大事である。日本海学の21年度の重点事項として、22年度に、他県の北前船ゆかりの地に出かけて行って、住民同士の交流をすることを検討することが書かれている。期待している。

委員 座学だけでは駄目である。人と人とが触れ合うところに認識が生まれ、お互いを思いやる気持ちが育まれる。そういったことを根強く仕掛けていくことが、これからは大切ではないか。

委員 環日本海の小学校の授業交流は、今でも富山大学付属小学校で続いていると聞いている。日本海学推進機構としての支援ではなくて、大連事務所とか、とやま国際センターの協力を得てやれば、お金もそうかからずにいい効果が生まれるのではないか。せっかく成果が上がっているのだから、それをしぼますのはもったいない。

・会長総括

日本海学は、多くのことを蓄積してきたけれども、そろそろテーマやキーコンセプトの見直しを図るべきところに来ているようだ。

一番驚かされるのは、富山ではわずか40キロの水平距離の中に、4,000mの高低差があることである。世界を見てもほかに例がない。また、地中海などと比べても、日本海ほど海の資源の豊かなところがない。日本海には豊かさがあり、地域発展の潜在力がある。

そういう中で、日本海学と「学」の字がついているのは、富山県であるとか、日本側だけの沿岸だけにとどまらず、そこから共通項を作り出して日本海を取り巻く全体にまで広がる学問として編成し、高めていこうという意志が込められている。