日本海学研究機関等連携事業

気象庁連携 「日本海地域と気候変化」


日 時: 平成16年10月17日(日)13:30~16:00
会 場: 新湊市農協会館 5Fホール(新湊市本町2-13-5)  地図
参加料: 無料 
主 催: 気象庁 富山県 日本海学推進機構
後 援: 財団法人日本気象協会
社団法人日本気象学会
概 要:

詳細
「地球温暖化に伴う日本の気候の変化」
気象庁気候・海洋気象部気候情報課課長補佐 里田 弘志
講演録
「熱帯域の変動と環日本海地域の気候への影響」
富山大学理学部地球科学科教授 川村 隆一
講演録
「環日本海における環境面での連携協力」
(財)団法人環日本海環境協力センター参事・調査研究部長 土肥 宗英
講演録
※舞鶴海洋気象台観測船(清風丸)の一般公開あり
   10月17日(日)11:00~13:00 海王丸パーク
記録写真

 

会場案内

概要 詳細
地球温暖化に伴う日本の気候の変化
 気象庁 気候・海洋気象部気候情報課 課長補佐  里田 弘志
 20世紀の100年間に、全世界の平均気温は約0.7度上昇し、その多くは、大気中の二酸化炭素など温室効果ガスの濃度の人間活動に伴う増加が引き起こす「地球温暖化」によると考えられています。地球温暖化により、世界全体でどのような変化が起きたか、また将来どのような変化が起きるかについては、過去約20年間の研究の結果、次第に明らかになってきました。しかし、地球温暖化が、日本周辺など地域的にどのような影響を及ぼすかについては未解明な点も多く、現在多くの研究者が取り組んでいます。
 
講演では、地球温暖化に伴う、世界と日本の気候の変化とその見通しについて、これまでに明らかになったこととともに、最近の研究状況についてもお話しします。

講演録
熱帯域の変動と環日本海地域の気候への影響
 富山大学理学部教授  川村 隆一
 北陸地方は冬季の季節風の吹き出しに伴う大雪、盛夏季のフェーン現象による酷暑、春季の日本海上を発達する低気圧に伴う強風、年間降水日数がゆうに180日に達するなど、全国的にみても激しい気象が頻繁に生じる地域です。様々な気象災害を被る頻度が高い一方で、豊富な降水量が豊かな森林を育み、多様な生態系を維持しています。なぜこのような気象学的特異性が生じるのでしょうか。

 講演では特異性をキーワードに、北陸地方を含む環日本海地域の異常気象を概観し、その異常気象の発生原因が実は世界的な異常気象と密接に関連している事例を解説することで、微視的側面、巨視的側面から地球全体の、アジアの、環日本海の、そして富山の気象・気候の理解を深めていくことを目指したいと思います。

講演録
環日本海地域の環境協力 ~恵み豊かな海を次代に~
 財団法人環日本海環境協力センター参事・調査研究部長 土肥 宗英
 日本海は、沿岸地域の人々にとって様々な恩恵をもたらす共有財産であり、この環境を未来に引き継いでいくことは、現代に生きる私たちの大きな責任です。  環日本海地域は、急激な近代化や工業化、人口の増加と一極集中などにより国境を越えた環境問題や生態系の破壊が心配されてきていますが、一県、一国だけでは解決できない大事な課題です。

 講演では、地球環境の中での海の役割とその重要性、富山湾の水質汚濁を官民一体となって改善に取り組んでいること、そして、これまで蓄積してきた技術やノウハウを生かした環日本海地域の環境協力を推進していることをお話し、環日本海の循環と共生を考えたいと思っています。

講演録