大学等連携事業

日本海学セミナー


 

日時: 平成17年1月13日(木)~25日(火) 計4回 16:45~18:15
会 場: 富山大学教養教育棟 3番教室
参加料: 無料
授業「環日本海」の受講生120名に加え、一般定員50名。
主 催: 日本海学推進機構 富山大学極東地域研究センター
概 要
1月13日(木) 「環日本海の水循環と雪氷」
    →概要
富山大学極東地域研究センター
教授 川田邦夫
1月18日(火) 「産業主義から環境主義へ」
    →概要
(株)新居千秋都市建築設計
代表 新居千秋
1月20日(木) 「環日本海の森からみた21世紀」
    →概要
NPO法人 樹木・環境ネットワーク協会
専務理事 渋澤寿一
1月25日(火) 「日本海の持続性を黒部川流域から考える
―フィールドミュージアム構想と
持続的農業(環境保全型農業)の実践―」

    →概要
日本大学
教授 水嶋一雄

 

富山大学極東地域研究センター教授
  川田 邦夫

環日本海の水循環と雪氷
 1万年以上前には、日本の高山地帯にも氷河が存在していた。地球の寒冷期に日本海を主な水蒸気源とした降雪の蓄積が氷河を形成し、間氷期にあたる現在の気候下で消失した。日本海側地域の降雪機構を考えつつ、南極の雪氷等、地球規模の水循環から富山地域の雪氷の動向までを比較して考える。
  また、立山の積雪観測から見られる環境問題等について、温暖化傾向にある環境下で、どのようになっているかを考える。

 

㈱新居千秋都市建築設計代表
  新居 千秋

産業主義から環境主義へ
 現代は、一時的に文化の中心が太平洋側に移っている様に思える時期であり、それは技術偏重の時代だとも言える。しかし、日本海学の「逆さ地図」のようにちょっと考え方を転換することによって、循環・共生型の環境主義の時代が開けるのではないかと考える。
  砺波平野において、かつてあった美しい景観を再生する目的で進行中の「散居村田園空間計画」等を事例にとり、学生や一般市民として何が出来るかという観点で講義する。

 

NPO法人樹木・環境ネットワーク協会専務理事
  渋澤 寿一

環日本海の森からみた21世紀
 「人類は欲望を抑える術を持たない」 これは世界中の環境NPOが環境破壊の現場であげる悲痛の叫びである。その中でアメリカの活動家ピーターバーグは「未来への鍵を、日本の山村で探せ」と説いている。縄文以前から3万年以上続いて来た環日本海の「森の暮し」。
  講師は長年NPOの立場で山村と森を歩き、生活の知恵、人々の心の有り様、人と森との循環と共存の歴史などを中心に知見を深めて来た。「持続可能な社会」の実像を環日本海で生きて来た人々の姿から探る。

 

日本大学教授
  水嶋 一雄

日本海の持続性を黒部川流域から考える
-フィールドミュージアム構想と持続的農業(環境保全型農業)の実践-
閉鎖性海域の多様な環境を持つ日本海は、豊かな漁業資源と沿岸地域間の活発な交流から、この地域の歴史と文化の発展に大きく寄与している。しかし、近年、漁業資源の枯渇、水質の悪化など日本海の環境が急速に変化しつつあり、この持続性が危惧されている。
講義では、日本海の持続性は陸上で生活する人間諸活動の再検討が必要という視点に立って、黒部川流域で取り組むフィールドミュージアム構想と持続的農業の役割を話題とする。