大学等連携事業

2006年度 早稲田大学オープンカレッジ 「日本海学-日本海地域の文化・自然・環境-」


1.講座名

  オムニバス講座
  「日本海学―日本海地域の文化・自然・環境―」
  (日本海学推進機構連携講座)

2.期間

  冬学期 全5回(1/26~2/23、毎週金曜日) 13:30~15:30

3.お申込み・お問合わせ先

  電話 03-3208-2248 (早稲田大学エクステンションセンター)
  (9:30~17:00 日曜・祝日・休業日を除く)

  受付期間: 11/16(木)~
  受講費 : 全5回で18,000円
  テキスト: 『日本海学の新世紀4 危機と共生』(角川書店)

  → 『日本海学の新世紀4 危機と共生』は本講座のテキストとして、開講時に教室で販売いたします。
 なお、第1集~第6集の各本とも早稲田大学生協ブックセンター及び全国の有名書店でお買い求めいただけます。

4.講座の目標

  日本海を中心とした環日本海地域を海・循環・共生の視点から総合的に見つめる日本海学。この環日本海地域の文化・自然・環境について、さまざまな切り口から理解を深める。

5.講義概要

 日本海はどのような海なのでしょう。そして、この日本海によって支えられている日本海沿岸の文化・自然・環境は、日本列島の中でどのような意味を持ち、影響を与えてきたのでしょう。
 日本海学講座は、本年度4年目の開講となります。日本海の恵みに支えられた食文化、興味がつきない日本海縄文文化、日本海沿岸の植物の多様性、そして、緊急の問題となっている日本海を越境する環境問題についての考察を加え、日本海地域の実像に迫ります。

6.各回予定

 

日時 講師 演題
1月26日 藤田大介
東京海洋大学助教授
海藻からみた日本海の自然と食文化
 日本海沿岸は海藻の種類が少ないといわれてきたが,約8万haの群落(藻場)があり,自然も比較的保たれている。半島や離島などでは,古来,海藻利用の文化があり,地方名も多い。しかし,北部ではウニによる磯焼けが恒常化し,南では魚の食害が目立ち,随所で人為的影響も出始め,藻場の保全が重要な課題となっている。
2月2日 小島覚
元東京女子大学教授 元富山大学教授
環日本海地域の自然環境と生物多様性
 環日本海地域はユーラシア大陸の東縁にあり偏西風気候のもと、複雑な地勢構造ともあいまって自然環境は変化に富む。それを反映して、当地域の生物多様性は世界的に見ても高い。本講義では当地域の自然環境の特性について論述し、それが生物多様性とどう関わっているか、地理学的かつ地史的観点から論考する。
2月9日 小島俊彰
金沢美術工芸大学教授
日本海から見つめる縄文文化の交流
 縄文人のもっとも大事な生活道具である縄文土器は、それぞれの地域で、その時々の流儀で作られていて、私たちを魅了する。
  火焔型土器やバスケット型土器のように北陸の縄文土器が躍動して、周辺に大きな影響を与えることもある。その幾つかの動態を紹介して、日本海縄文文化への関心を誘いたい。
2月16日 佐竹研一
立正大学地球環境科学部教授
日本海を越境する環境
 日本海に沈む夕日について世界各国の夕日、特に南太平洋に沈む夕日と比較し、黄砂が日本海の夕日を特色づける重要な役割を果たしていることを述べる。次いで、黄砂飛来時の日中の太陽、夜の満月について韓国、中国、日本のそれと比較し、物理現象と黄砂の関係について述べる。次いで,黄砂の化学的性質と酸の中和能力について理解を進め、中国の北部地域では酸性雨が降らない理由を説明する。最後に、黄砂と共に飛来する大気汚染物質について紹介する。
2月23日 陶智子
富山短期大学経営情報学科助教授
日本海の味覚文化―加賀・富山藩食文化の伝統―
 江戸時代から現代に至る石川、富山の食文化を考える上で、日本海で捕れる食材を抜きにすることは出来ない。加賀藩前田家に仕えた料理人舟木伝内の残した文献によって、当時の食材や料理法の一端を知ることができるのだ。そして、そこから現代に受け継がれた日本海の料理文化を考えることができるのである。