大学等連携事業

2008年度 富山県大学連携協議会公開講座 「環日本海地域の共生」


平成20年9月13日(土)
13:30~14:50
県民会館701号室

講師 富山国際大学
現代社会学部 教授
浜松誠二 氏


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中国・インドといった人口大国が経済成長を進める中で、世界各国は共生の道を探っていくことが求められている。この困難な課題は、既に1970年代初頭に『成長の限界』として提起さていたものである。
 本日は、中国との関係を踏まえつつ、共生への4つの課題を説明する。

 

◎市場経済

 中国の経済成長は、外国資本を基礎に輸出需要によって進められてきた。
 当初、衣服繊維、編み物等の労働集約的産業から出発したが、次第に白物家電と称される洗濯機、テレビ、冷蔵庫等に移行し、さらにパソコンや半導体等の輸出へと展開している。今日では生産機械の輸出も始まっているようにも見られる。
 一方で、人件費の上昇により、最早、労働集約的生産の適地ではなくなりつつある。
 こうした中で、我が国は、産業構造を変えていかざるをえないが、その方向は、地域ごとの産業クラスターの形成であろう。

◎食糧・資源確保

 中国の経済成長に伴い、各種資源の確保が困難な課題になってきている。
 特に、石油については、国家を後ろ盾にした国有企業が世界各国で開発権の確保に努めており、内紛国との関係のあり方など多様な問題を提起している。
 また、食生活の変化の中で、大豆等の輸入を急速に拡大させている。
 エネルギー資源が乏しく、食糧自給率の低い我が国は、我が国なりの戦略的対応を展開していく必要がある。

◎地球環境保全

 環境問題には、主として硫黄酸化物・窒素酸化物・水資源等に関連した地域内環境問題、主として酸性雨・黄砂・海洋廃棄物等に関連した国際環境問題、さらに温暖化ガス排出等に関連した地球環境問題がある。
 特に地球温暖化ガスの各国への排出量の割り振りについて、我々人類は困難な課題に直面している。結局は、多国間の政治的交渉となるが、理屈としては倫理論の議論から出発する必要があり、「一人当たり一定量の排出を許容する」という考えを持つと、先進国はとてつもなく無理なことをやっていると自覚させられる。
 我々は、まずは京都議定書の遵守が必要であり、さらに各国・各自なりの見識ある対応が求められている。

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◎最貧国支援

 世界には、先進国と発展途上の国があるとともに、一方で、離陸できない、約10億人を抱える国がありThe Bottom Billionと称されている。
 最貧国が離陸できない典型的な要因として、①内紛(戦争)、②天然資源の利権争い、③内陸国による交通の便の欠落、④政治的統治能力の欠如といった罠が上げられる。
 我々は、国際的に協力して、貧困国の支援に当たっていく必要がある。かつて冷戦時代には、OECD各国は、GDPの0.7%の拠出を標榜したこともあるのだが、現在では、支援の必要性が増しているにも関わらず、その意欲は低下している。

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