| 2007/9/18 「さいたま市 でくの坊」さん のご質問です。 Q1.講座名(テーマ)、講師名 「古代北越の境界・神済(かみのわたり)について」 講師 富山大学人文学部歴史文化コース 教授 鈴木 景二氏 Q2.質問したい場所 見出し「『済』は渡河点ではない」の、第2段落 「ちはやふる 神のみ坂に 幣奉(ぬさまつ)り 斎(いは)ふ命は母父(おもちち)がため」という歌がある。これは長野県の神坂峠であるが、交通の難所の峠道は神様のいる場所と考えられており、大変恐ろしいところであるとともに、聖なる神のいるところを通る際に、お供え物をお祭りしたと詠まれている。一般的に古代の旅をする人たちは境の峠を越える際には神様をお祭りして旅の安全を祈る。の部分に関して Q3.質問事項 私は荏胡麻を栽培して居る者ですが、荏胡麻を使った古くからの食品に「五平餅(御幣餅)」があります。飛騨、恵那、高山の中仙道に残り藤村の「夜明け前」も触れています。この由来が不明です。又新潟に「ひこぜん」という同様のもの、会津に「しんごろう」秋田に「きりたんぽ」がありそれぞれ古来より伝わり由来が不明ですが本報告の・・神のみ坂に 幣奉り(ぬさまつ)りという事関連がありそうに感じます。この考えはいかがでしょう? 2007/9/25 回答します 回答者: 鈴木 景二先生 (富山大学人文学部歴史文化コース 教授) この万葉歌に出てくる「幣」(ぬさ)は、神様へのお供えもののうち、布絹などの繊維製品を指す古代の一般的な言葉で、それを神に奉る行為も一般的な祭祀の行為で信濃・美濃に特有な習俗ではありません。それと似た「御幣」(みてぐら)という言葉がありますが、こちらはより広く、神への捧げ物各種を指すようです。 いっぽう富山県南部から中部地方の山岳地帯の伝統食五平(御幣)餅ですが、A:五平さんが作ったことに由来する、B:山の神さまへのお供えに作った特別なものであるから「御幣」餅、C:山の神さまへ供える「御幣(おんべ)」の形に似ているから、と諸説があるようです(市川健夫『日本の風土食探訪』白水社 2003年・石上堅『日本民俗語大辞典』桜楓社 1983年)。B説ならば、神さまへのお供えに関係するということのみ万葉歌の「幣(ぬさ)」と共通点があります。しかし、時代的も隔たり、物品自体も異なっていて、それ以上の関係は現在のところ確かめられないと思います。 ご質問、ご回答、ありがとうございました。 |